「自分史を作成する」というと、なんだか年配の方が人生の集大成として取り組むイベントというイメージを抱かれるかもしれません。ただし今回挙げるように、自分史を作成することで得られるメリットは多いもの。ある程度の年を重ねてからだけではなく、30代、40代の若年期からでも、カジュアルに自分史作成に取り組んでみてはいかがでしょうか。
過去を回想しながら、自分史を作っていくことで得られるものについてご紹介していきます。
まず最大のポイントは「自分のことをより深く知ることができる」ということ。自分のことはよく分かっていると誰しもが思いつつも、普段意識しないだけで、意外や意外、分かっていないことってあるんです。
「なぜあなたはそんな性格なのでしょう」といった質問を投げられても、即答するのって難しいですよね。人の性格の半分はDNA情報に由来するようですが、もう半分はこれまでの人生や環境によって左右されると言われております。
自分史を作り始めてみると、過去に自身が経験したあらゆる出来事について思案するようになります。「学生時代の野球部顧問のしごきはかなりスパルタだったな」とか「意外と母親と性格や考え方が似てるかも・・」とか。そうした過去の経験や判断から、自分の価値観が形成されているんだと気づくことでしょう。客観的に自分を見つめ直す機会にもなります。
忙しい日常を送っていると、なかなか自分の半生を振り返る機会はありません。自分史を作成することで、人生の主役である自分のことを考える時間が圧倒的に増えます。自分史を作り終えた後は、もっと今の自分を好きになっているはずです。
あんまり自分のことが好きじゃない・・って人にもおすすめですよ!
長い人生ですから、いろいろと悩むこともあるでしょう。ですがいくら悩んでもなるようにしかならないものです。と言うか、自分が解決できることしか物事は解決できないのです。
自分史作成を通して等身大の自分を知ることで、なにかしらの壁にぶち当たったときにも意思決定することが容易になります。自分を知ることでもっとシンプルな生き方というか、人生のヒントのようなものが見つかるはずです。
「長いようで短いのが人生」と言われることもありますが、自分の人生を振り返ってみると、自分が生きてきた時間に比べて、わりと人生を左右するような、記憶に残るようなイベントは少ないことに気づきます。それに年を重ねるごとに体感時間も速くなっていきますし・・1年なんてほんとあっという間ですよね。
あとどれだけの人生が残されているかは誰にも分かりませんが、毎日の生活を、残りの人生を、もっと大切にして生きていこうという前向きな気持ちが芽生えてきます。
人の肉体は亡くなると火葬されて骨と肺だけになってしまいます。ですが生きた証というのは別の形にして残すことができるのです。著名人であれば死後何十年経っても第三者によって功績や武勇伝などが語り継がれることもありますが、普通の人であれば自ら自分史という形で物を用意しておくのです。
せっかくこの世に生を享けて、長い人生を歩んできたのですから、自分の歴史や功績などを形ある物にまとめておきましょう。出来事だけでなくても、誰かを愛したことや大切にしていたものなど、そうした想いだって自分史であれば死後に残していけるのです。
その人の歴史や想いこそが、姿形がなくなれど、いつまでもこの世に残しておくことができるのです。